こんにちは。アキラです。

 もうすぐ父の日ですね。
 僕が釣りを始めたきっかけは、父にあります。
 他界した父の趣味でした。
 僕が大人になってからも、ふるさとの富山で、ときどき一緒に竿を握りました。
 今でも釣り糸を縛るときは、父が教えてくれたやり方を用います。

 父が使っていた竿は、弁慶の金棒のように太くて重く扱いにくかったので、兄弟三人でお金を出し合い、そんなに高くはなかったけれど、細身で軽いちょっといい釣り竿を父にプレゼントしたこともあります。 

 父は技術者で、僕と違ってとても寡黙な人でした。
 人付き合いはたぶん苦手。社会を泳ぐのが、得意ではなかったと思います。
 でも、そんな父が好きでした。

 僕が小学校低学年のころ、母親が難しい病気になり、ずいぶん長い間、入院していたことがあります。
 家庭がそんな時でしたが、サラリーマンだった父の帰宅は、いつも夜遅く。そんな僕を不憫に思ったのか、週末に休みが取れた時は父が握ったおにぎりを携え、よく二人で釣りに出かけました。父は味がいいシロギスを釣るのが好きでした。
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 父が握ったおにぎりは、男らしいというか武骨というか、母親が握ったものに比べて、ひとまわりビッグサイズ。大きすぎたせいか、ばくだんのように見えたので、僕は「ばくだんおにぎり」と呼んでいました。

 ある暑い日、シロギスを釣りに、二人で砂浜に行ったときのことです。
 その日はとても風が強く、僕が取り出したばくだんおにぎりが瞬く間に砂まみれになり食べられなくなったことがありました。父が笑って自分のおにぎりを一つ僕に渡してくれたのをよく覚えています。
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 夏が、すぐそこまで来ています。
 夏は、シロギスのシーズンです。
 この島でも、多くはないですがシロギスを釣っている人がいます。
 シロギス釣りは、もう随分長い間していませんが、父の日を前に久しぶりにやりたくなりました。
 今年は、ばくだんおにぎりを持って、父の面影と一緒に砂浜に行きたいなと考えています。

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